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空想デイズ

期間限定(?)幻水ティアクライスのプレイメモ&呟きブログ。 女性向けの腐った視点が含まれますのでご注意下さい。 ロベルト贔屓。

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Advanced road/主ロベ

せっかくなので、プレイメモ以外もたまには。
ところで私、幻水シリーズの武器成長・鍛冶システムが大好きです。そんな、武器なんてほいほい替えるもんじゃない・・・!(本音=考えるの面倒くさい!)
しかし今回は武器持ち替えタイプなので、順応して頑張るしかありません。基本、初期武器の同系統で貫きますが(弓とタガーとか、拳と爪とか、二刀流大好きとかその程度の変更)、主人公の棍棒系はなかなか上位武器が出てこないし、アトリに剣貰っちゃうしで、じゃあ剣にしないわけにはいかないよなーと思うわけで。
その為の儀式代わりのちょっとしたSSです。
前フリ長っ。

いちおう気持ちは主ロベ。主人公の名前はカナイです。

「お、いたいた!ロベルト!」
自動的に増築された城の中で、冥夜の剣士団の詰所として落ち着いた広いホールに足を踏み入れた途端、カナイはそう叫んだ。
部屋の隅に座り込んで剣の手入れをしていたロベルトが、うるさそうに目を上げる。
「……なんだよ」
カナイは勢い良くロベルトの前まで歩いてくると、口元を持ち上げ、にっと笑った。
「ロベルト、今ちょっといいか?」
「見ればわかるだろ。忙しい」
「稽古の相手してくれよ」
最初から人の話を聞く気のない態度に、ロベルトが溜め息をついた。視線を戻して剣の手入れを続けながら、苛立ちを隠さずに答える。
「忙しいって言ってるだろ」
「えー。いいじゃん、ちょっとくらい付き合ってくれたって」
「しつこい。だいたいなんでオレがおまえの稽古に付き合わなきゃいけないんだ」
「そりゃ、強いから」
ぴたりとロベルトの手が止まった。ゆっくりと顔を上げる。
「何?」
「どうせ稽古つけてもらうなら、強いヤツの方がいいに決まってるだろ」
まっすぐにその瞳を見下ろしながら、楽しそうにカナイが言う。驚いたように目を瞠ったロベルトが、わずかな空白の後に口を開いた。
「……お、おまえがそこまで言うなら仕方ない!付き合ってやる!」
素早く立ち上がって、カナイの傍らをすり抜ける。
「その代わり手加減しないからな!覚悟しろよ!」
さっさと先に立って歩き出すと、出口のところでカナイを振り返り、何してるさっさとしろ!と怒鳴りつけた。
「お、おう!」
カナイの返事に、ふんと鼻を鳴らして、また足早に歩き出す。
「……意外と扱いやすいヤツだよなー、ロベルトって」
ぽつりと呟いてから、カナイもその後を追った。


短い掛け声と剣戟が響く。
剣を握ってまだ間もないくせに、ましてや他人と真剣を交えた経験などほとんどなかったはずなのに、カナイの動きには迷いがない。
技術は荒削りだが、勢い良く真っ直ぐに切り込んでくるカナイの攻撃に、わずかに押されそうになりながら、ロベルトは機会を伺う。
臆せずに間合いに入ってきた剣先を跳ね上げて、ロベルトが反対に攻め込んだ。喉元でぴたりと剣を止める。
「っ……くっそー!」
「隙がありすぎなんだよ、バーカ」
ロベルトがゆっくりと狙いを外すと、力が抜けたようにカナイが地面に倒れこんだ。
「あーつかれたー。ちょっと休憩ー!」
「はっ、情けないヤツだな」
「なんだよ。おまえだって本当は息上がってるくせに、強がっちゃって」
「なっ、そんなこと……!」
反駁しようとしたが、地面に大の字に寝転んだカナイは、緩く笑っている。何を言っても意味がなさそうで、しかも僅かに呼吸が乱れているのも隠しようのない事実で、ロベルトは短く舌打ちをして口を閉じた。
カナイがまた小さく笑った。
「いいじゃん、おまえも休めよ」
不本意そうに顔を顰めながらも、カナイから少し離れたところに、ロベルトもゆっくりと腰を降ろす。それから、疑問に感じていたことを、カナイに問いかけた。
「おまえ、どうして剣の稽古なんか……」
「んー?」
「棍棒の方が扱い慣れてるだろ。剣なんてほとんど触ったことなかったんじゃないか?」
「ああ、まあねー」
両手を頭の下で組みながら、カナイがのんびりと答えた。
「村にも自警団があってさ、オレたちもその一員なんだけど……今までは、平和な村でさ。相手にするのは畑を荒らす獣とかモンスターとか、そんなんでさ。だから、棍棒でも十分だったんだけど」
カナイは言葉を探すように、ゆっくりとした口調で話す。視線は空を見上げていて、ロベルトからは表情が読み取れない。
「でもなあ。これからは、そういうわけにもいかないだろ?」
「……そう、か?」
「うん、やっぱなんか武器として限界があるってのもあるし……いや、探したらなんかあんのかもしんないけど……まあ、でも、一種の覚悟、っつーか……」
人を斬る覚悟?
ロベルトは思わず聞き返そうとして、止めた。そんなものはおまえに必要ない。そう言おうとした言葉も飲み込んだ。
かつて自分も同じ道を選んだ。守るために。取り戻すために。
「……ま、ジェイルあたりに言ったら、おまえがそんなこと考える必要ない、とか言われるんだろうけど。つまりはオレの自己満足だよな」
「いいんじゃないか、それでも」
ロベルトの声に、首を逸らしてカナイが視線を向けた。静かに、目を細めて笑うカナイの表情に、なんだか腹が立ってロベルトは顔を背ける。
「とにかく!せいぜい足を引っ張らない程度には頑張るんだな、団長さん」
「おう!だからロベルト、また稽古よろしく!」
「だからなんでオレなんだよ!」
「それはさっき言っただろ。強いヤツとやる方が……」
「あのなあ、オレだって自分の実力くらいわかってるさ」
呆れたようにロベルトが返す。カナイは身体を反転させてうつ伏せに肘をつき、ロベルトを見た。ロベルトは視線を逸らせたまま、呟くように吐き出す。
「この城の中には、オレより強いヤツらだって他にいるし、剣の扱いならそれこそ、オレはまだ姫様やメルヴィス副長の足元にも及ばない。悔しいが、それはわかってる。だから聞いてるんだ、なんでオレなんだよ」
「……おまえのそういうとこ、かな」
「は?」
ロベルトは思わず問い返し、カナイを見た。カナイは口元を持ち上げて、満面の笑みでロベルトを見ていた。
「向上心、ってのかな。もちろん他のみんなにもそれはあるけど、それが人一倍強いっていうか、他の誰にも負けたくない、みたいな。おまえのそういうとこ、すげーなって思う」
「……な、にを」
「それにどうせなら、競いあって一緒に強くなれるヤツがいいじゃん。な!」
「お、オレは……」
ロベルトはぎゅっと拳を固めて、それからまた勢い良く、顔を背けた。
「オレはおまえの100倍強くなってやるからなっ!!」
「な、なんだよ、ロベルト。そんな顔真っ赤にしてまで怒るようなこと、オレ言ったか?」
「うるさいっ!!」



いちおう剣士団の一員なので、(最初の頃だけでも)剣の扱いは主人公よりロベルトの方が上だといいな、と思います。
ま、うちはロベルトの方がクロデやメルヴィスよりレベルも上だけどね!(笑)

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和泉
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女性
自己紹介:
幻水シリーズ大好き。
普段は主に乙女ゲーをプレイしています。
お休みの日はイベント行ったりライブ行ったり舞台観たりのオタクライフ。
twitter:@idumi21
連絡先:idumi_sk@hotmail.co.jp

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