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空想デイズ

期間限定(?)幻水ティアクライスのプレイメモ&呟きブログ。 女性向けの腐った視点が含まれますのでご注意下さい。 ロベルト贔屓。

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Happening and Happy end/主ロベ

主ロベの妄想をしていて、この感覚は何かに似ていると思ったら、タジハナでした。ああー!天然オトコマエ×出来る子なのにヘタレ!(ハナイまじかわいい!)
そして私は、タジマのカッコよさは私には表現しきれないと思って読み専になっているのでした。でもたぶん同じ系統のオトコマエだよなあ・・・そりゃ団長も書けないよなあ・・・。
などと思っていたら団長の声がS野ボイスで再現されるようになってしまって違う違うと焦ったり。かといってロベルトがT山ボイスになったりはしないよ。

そんなこんなで悪戦苦闘しつつ、リクエストいただいていた主ロベで「初めてのちゅー」を書いておりました。なんか・・・うちのライバル以上恋人未満なふたりにどうしたら。ということでネタ的には「うるさいロベルトの口をちゅーで塞ぐ」とか「木陰で眠る美少年ロベルトに思わずちゅー」とかベタな感じしか出てこなくてとにかくギャグに走りました、ほんとごめんなさい。
途中から団長が別人。だれ、ほんと。

ロベルトは少し足早に城の中を歩いていた。
簡単な依頼を片づけてモアナへ報告に行ったところ、ちょうどカナイも先ほど戻って今は湖のあたりにいるだろうとのことだったから、ならば直接報告をしようと思っただけで、他意はない。ほんのわずかに急ぎ足なのも、好奇心にまかせて動き回る癖のある少年がまたどこかへ移動する前に捕まえようと思っただけで、深い意味はない。別に、気が急いて自然と早足になってしまうとか、そんなことは全くない。
ただ、そんな理由で歩みに多少の勢いがついていたのは確かだ。その所為で反応が遅れた自分にも、多少の非はあるかもしれない。けれど。
「あ、カナイ! 前!」
食堂を抜けて外へ繋がる扉を出た途端、リウの声がして、目の前の人影にも気付いたけれど、外へ飛び出しかけた身体は止められなかった。
「ん?」
前方不注意のまま反対に食堂へと足を踏み入れようとしていたカナイが、リウの注意に反応して顔を前に向けたが、それも遅かった。
ぶつかる、と思った途端、ロベルトは思わず目を瞑った。ごん、と鈍い音がして、顎と口元に衝撃。
「……っ!」
「ってー!」
衝突の勢いで弾かれたようにカナイが地面に転がった。ロベルトも、痛みで一瞬、声が出せない。
傍らで一部始終を見ていたリウが、なぜか一番に口を開いて。
「あ、チューした」
のんきに、そんな言葉を発した。

「いつまで怒ってんだよー」
食堂で食事をとるロベルトのところへやってきて、開口一番、リウがそう言った。ロベルトは睨むように一瞥しただけで、何も返さなかった。
リウは気にせず、ロベルトの向かいに座るヨベルの隣に遠慮なく腰かけると、溜め息混じりに続ける。
「あれからロベルトが口きいてくんないって、カナイがけっこう気にしてんだけどー」
「え、何? 何かあったの?」
「うるさい、おまえに関係ないだろ。ヨベル、おまえも!」
あからさまにうんざりしたようなリウの言い方に、むっとしてロベルトが言い返す。事情を知らないヨベルが不思議そうに訊ねたが、それも跳ね除けた。ヨベルは小さく肩を竦める。
リウはちらりとヨベルを横目で見てから、片肘で頬杖をついて、もう一度口を開いた。
「関係ないっつったって、オレもその場にいたしー」
「いただけだろ。オレはあいつに腹を立てているだけで、おまえがいようがいまいがそれは変わらない、だから関係ない!」
「いや、でもオレが余計なこと言ったからじゃないかってカナイがさあ」
「っ……! な、なんのことだ、オレは別に……!」
「めっちゃ動揺してますけど……。じゃあなんで怒ってんの? あの後ロベルトってば口元押さえてなんも言わないで走ってっちゃったし、それきり顔合わせても話しも聞かないで逃げられるってカナイが言うから、やっぱりちゅー……」
「わー! ち、違う! オレはただ、あいつの注意力散漫で前方不注意な行動が! 傍迷惑だと怒っているだけで!!」
大声と同時に思わず身を乗り出してしまい、がたん、とロベルトの座っていた椅子が大きな音を立てた。
「はいはいわかった、わかったから落ち着いてロベルトさん……」
「あ……わ、悪い」
衆目を集めてしまったことに気がついて、ロベルトは大人しく椅子に座りなおす。黙ってやり取りを聞いていたヨベルが、その隙に、小さくリウの服の端を引いた。
「で、何があったって?」
「いや、大したことじゃないんだけどさ」
リウは声を落として、ヨベルに耳打ちするように事情を説明した。ロベルトが鋭い目を向けたが、うかつに声を上げるとまた周囲の注目を浴びそうで、仕方なく堪える。
「……え? そんだけ?」
簡潔なリウの説明を聞いて、不可解そうに眉を顰め、ヨベルが問い返した。
「うん。そんだけ」
「え、だってそんなのただの事故じゃん。男同士だし、数に入んなくない?」
「そうだよなー。別にそんな気にすることじゃないよなあ?」
「……ちょ、ちょっと待ておまえら、何の話をしてる? だからオレが怒ってるのは!」
「そんなの意識する方がおかしいよ。もしかしてロベルトって、あの人のこと好きなんじゃないの?」
会話の流れを断ち切ろうとするロベルトの言葉を遮って、さらりとヨベルが言った。
ロベルトが言葉を途切れさせてヨベルを見て、直後、先ほどより大きな音を立てて、ロベルトの椅子が転がった。
「……そ、そんなわけがあるかー!!」

食堂を飛び出したロベルトは、勢いよく階段を駆け上った。
「な、なに言ってんだ、ヨベルのやつ……! リウも! べ、べつに口と口がぶつかったくらい、な、なんでもないに決まってる!!」
詰所に戻ろうとしたが、頭に上った血が治まらず、そのまま屋上へ出ようとさらに上へと向かう。新鮮な空気でも吸えば少しは落ち着くはずだ。
「あ! ロベルト!」
四階の踊り場が見えたところで、そこから声が飛んできた。勢いでさらに数段駆け上がりながら顔を上げて、そこに立つカナイの姿を見つけ、とっさに急停止をする。
「……っ!」
「あ、待てよ!」
そのままくるりと踵を返そうとしたが、カナイの反応のほうが早かった。逃げようとするロベルトの腕を素早く捕まえる。
「なんでそんなにオレのこと避けてんだよ!」
「べ、別に避けてない! 今急に、用事を思い出しただけで!」
言いながら、けれどロベルトはカナイの顔を見ようとはしない。捕まえたロベルトの手を、カナイが強く引っ張った。
「な、なんだよ! 離せ……っ!」
「いいからちょっと来い!」
有無を言わせず、そのまま団長室まで連れて行かれる。振りほどこうにも、四階分の階段を一気に全力疾走したのはさすがに身に堪えて、ロベルトは仕方なく従った。
「ロベルト、そこ」
部屋に入ると、カナイは視線で寝台を指し示した。ロベルトは黙ったまま、その端に腰掛ける。だが、隣か、どこか適当なところに座るかと思ったカナイは、何故かロベルトの正面に仁王立ちになり、ロベルトを見下ろした。
「なんだよ」
「ちょっとだけ、目、瞑れ」
「は? な、なんでそんなこと……」
「いいから瞑れって! 別に殴ったりしねえよ!」
別に殴られるなんて思ったわけじゃ……と口の中で呟きながら、カナイの声に抵抗できない響きを感じて、そっと瞼を下ろした。何が起こるのかわからない。ロベルトはそっと、拳を握った。
むにゅっと、柔らかい感触が唇に触れたのは、次の瞬間。
なんだかわからずに、つい、目を開けた。すぐ間近、鼻先に、カナイの顔。
「……!?」
驚いて、肩を押して突き放すのとほぼ同時、カナイの身体が自ら離れていった。
「お、おまえ、何を……っ!」
「同じだったか?」
動揺するロベルトの声を遮って、カナイが訊いた。
「な、何がだよ!?」
「ぶつかった時と一緒だったかって言ってんだよ」
「は!? ぶつかった時って……そんな、の」
指先で自分の唇に触れて確かめる。今、触れたのは、目の前の唇。
あの時と同じ。
「わ、わかるわけないだろ! あんなの一瞬だったし、もうちょっと硬かったような気はするけど、でもあの時は勢いがついてたし!!」
そもそもそんなことを訊いてなにがしたいのかと、意味がわからずにロベルトが喚く。カナイは深いため息を付いて、仕方ねえなあと呟いた。
「ロベルト、立って」
「こ、今度はなんだよ」
「いいから立て! あのな、あの時オレ達、正面からぶつかったよな?」
腕を引かれて、ロベルトが渋々立ち上がる。向かい合って、ロベルトの目を見上げるようにして、カナイが確認する。ロベルトは、小さく頷いた。
「だから……おまえ、今の状態でわかんねえの?」
「はあ? 何なんだよ、さっきから!」
はっきりしないカナイの言い方に、ロベルトが苛立って声をあげる。カナイはまた溜め息をついて、不本意そうに、答えを明かした。
「だから! 見りゃわかんだろ、オレとおまえの身長差で、このままぶつかったらどうなるかって! ムカつくんだからわざわざ言わせんな!」
「身長、差? …………あ」
目測で身長差を測ろうとして、ようやくロベルトが気付いた。目線の高さにある頭部、口の高さにある、広い額。
「やっとわかったか! おまえの口が当たったのは、オレのお、で、こ、だ!」
「……はあー!?」
脱力してロベルトが寝台に座り込んだ。カナイが呆れた顔でそれを見下ろす。
「おまえ本当にそういうとこバカだよなあ。ちょっと考えりゃわかるだろ」
「うるさい」
言い返したが、声に力が入らない。そもそも、正面から唇と唇が触れたら、鼻もぶつかる。痛みがあったのは唇と顎だけ。冷静に考えればわかることだった。それを何故、あんな思い込みを、そう考えてはたと気付く。そう、状況を判断するより早く、誰かが言ったのだ。
――あ、チューした。
「……あいつ、後で覚えてろよ」
「ん? なんか言ったか、ロベルト?」
殺気のこもった小さな一言はカナイの耳には届かなかったらしい。なんでもない、と答えてロベルトは肩を竦める。ともかく、今回の件は下らない勘違いだったということだ。口と額がぶつかっただけの不運な事故だ。ほっとしたような、なんだか拍子抜けしたような気もするが……いやいや、とにかく良かったのだ。
目の前の男と、唇と唇が触れただなんて、そんな馬鹿なことあるわけが。
「……おい」
ない、と思いながらゆっくりと顔を上げて、ロベルトはふいに嫌な予感を覚える。大事なことを忘れかけていた。今。
いや、いっそ、すっかり忘れさっていればよかった。
「おまえ、さっき、どさくさにまぎれて何かしなかったか……?」
「さっき? 何のことだよ?」
「しらばっくれるな! オレの、オレの、口にっ!」
「あー。ああ、だって、比べてみたらわかりやすいかと思って。唇とデコ」
「何がだ馬鹿! 言葉で説明すればいいだろ、そっちの方がわかりやすかっただろう現に!」
「だってもったいねえじゃん!」
認識を次々と引っくり返されて混乱したロベルトが喚くのに、カナイが理解不能な理由で返した。まるで意味がわからず、ロベルトが絶句する。
「オレはなんもしてねえのに、誤解されて散々避けられた挙句、勘違いでしたで話が終わりじゃ割りに合わねえよ! せっかくの機会なんだから、いいじゃねえか、ちゅーくらい!」
「な、何を言ってるんだ、おまえ」
「おまえは嫌なのかよ、ロベルト。オレとちゅーすんの」
「べ、別に、嫌ってわけじゃ、ない、が……」
展開に頭が追いつかず、しどろもどろの返答をした。寝台の縁に腰掛けるロベルトを相変わらず立ったまま見下ろして、カナイの表情が笑みの形に緩んだ。
「じゃ、もう一回な!」
「は!? い、いや、待……っ!」
反対に、見上げる体勢でロベルトが問い返した。とっさの制止を聞かず、カナイの唇がまっすぐに降りてくる。カナイの片方の手が、ロベルトの二の腕の辺りを掴んだ。
ロベルトは思わずぎゅっと目を瞑った。閉じた唇に、カナイの乾いたそれが重なった。ゆっくり触れて、そっと押し付けるようにして、すぐに離れた。
恐る恐る開いた視界の中で、カナイが、目を細めて微笑んだ。
「……オレは、ずっとしたかったんだ」
「なっ、なにを」
ロベルトはふいに顔を背けるように俯けて、カナイの表情から目を逸らした。
「何を言ってんだ、馬鹿……!」
頭の上で、カナイが小さく声を上げて笑った。ロベルトは舌打ちをしたが、顔を上げられない。ロベルト、とカナイが呼んだ。しゃがみこんで、隠した表情を覗き込むように、今度は下から、唇を寄せてくる。
触れ合わせて、すぐには離れないで、ゆっくりと重ね合わせた唇から、ふいに濡れた感触が擽った。舌だ、と気付いた時にはロベルトは腕を突き出していた。いてっ、と短い悲鳴が聞こえて、カナイの身体が床に転がった。
「……っ、調子に乗るな!」
顔を真っ赤にしたロベルトが怒鳴るのを、床にぶつけた頭をさすりながらカナイが見上げて、それでもまた、嬉しそうに笑った。
「なあ、ロベルト。またしような!」
まるで懲りないカナイに舌打ちをして、ロベルトは返答をしなかった。
けれど、拒絶も出来ない自分に気付いて、指先でそっと、わずかに濡れた唇に触れた。


主ロベで「初めてのちゅーの巻」でした!リクエストありがとうございました!
リクエスト下さった水樹さまが、素敵にエロカワイイ主ロベを描かれる方なので若干プレッシャーを感じつつ。
ベタなネタに走ったら書き慣れない感じで文章もぐだぐだで本当に申しわけないです。
リウとヨベルが出たのは完全に趣味です。リウに「あ、チューした」、ヨベルに「好きなんじゃないの?」を言わせたかっただけです。リウはわざとです、二人の仲を推し進めようという親切のつもり+悪戯心。
ヨベルは間近に姉とイクスのやり取りをみてるし、きっと小さい頃からもてもてなイケメンなので、そういうとこはわりとクールというか達観している感じだといいな!という私の妄想です。しかし喋り方がまったくわからなくて誰だこれ状態。主人公のこともどう呼ばせたらいいのかさっぱりでした。
あとヨベルとロベルトがごっちゃになってロベルとかヨベルトとかいっぱい打った。どっかに誤字があったらごめんなさい。
ロベルトはこの期に及んで状況がいまいちわかっていませんよ。
なんだかんだ言って本文もあとがきも長いです、とても楽しく書かせていただきました。水樹さま、リクエストありがとうございました!

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