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空想デイズ

期間限定(?)幻水ティアクライスのプレイメモ&呟きブログ。 女性向けの腐った視点が含まれますのでご注意下さい。 ロベルト贔屓。

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小ネタ4/ツァウビュク

bookmark修正しました。閉鎖されたサイト様、お疲れさまでした…!
閉鎖されていても作品の閲覧が可能なところは未練がましく残させていただきました。
余裕があればまた増やしていきたい、です!

ついでに小ネタ置いて行きます。
以前に某所で書いた猫耳ネタのツァウビュク。本当はにゃんにゃんにゃんの日に掘り出してこようと思っていたのにすっかり忘れていました。

 唐突に、外側から扉が開いた。顔を上げ、入り口に立つ人物を目にして、ビュクセはわずかに眉を顰めた。今はゲシュッツもミーネも外出していて、室内にはあいにくビュクセひとりしかいない。けれど相手は気にした様子もなく、むしろ好都合だと言うように、にっこりと笑った。
「やあ、ビュクセ君!久しぶりだね!」
「…………」
 確かに、ここしばらくツァウベルンは団長の依頼で彼に同行しており、城内で姿を見るのは数日ぶりだった。おかげでビュクセも、静かな日々を送れていたのだが。
「他のふたりはいないのかい?」
 ツァウベルンはぐるりと部屋を見渡して、わざとらしくそう訊いた。扉を開けた瞬間からそんなことは気づいていただろう。ビュクセは不穏な予感を覚えて、警戒するように椅子から立ち上がった。
「……少し、出ている」
 暗にすぐに戻ってくると告げると、ツァウベルンはビュクセの態度を面白がるように、さらに笑みを深くした。
「そうか。実はね、ビュクセ君にお土産を持ってきたんだよ」
 他の人には内緒だよ、と声を落として呟くと、次の瞬間、ツァウベルンの姿がビュクセの視界から消えた。即座に身構えたが、何の意味も成さなかった。視認できる速度を超えた早さで、ツァウベルンはビュクセの背後に移動する。
 ツァウベルンの手がビュクセの頭部に振れた。振り向きざま、その身体を薙ぎ払うように動いたビュクセの腕を危なげなく避けると、ツァウベルンはビュクセの顔をまっすぐに見つめ満足げに微笑んだ。
「うん、よく似合うよ。思った通りだ!」
 ビュクセは自分の頭に手をやった。そこに、何かを付けられたのはわかった。振れると、ふさふさと、柔らかな感触。
「首輪も買ってくればよかったかな。鈴のついた、可愛いものを」
 ツァウベルンは楽しそうに笑いながら、先ほどまでビュクセが座っていた椅子に優雅な仕草で腰掛けた。
「ああでも、君はまるで警戒心の強い野良猫のようだけれど、実際のところは主にしか懐かない飼い猫だからね。私が勝手に首輪をつけるわけにもいかないか。残念だな」
 ビュクセは黙ったまま手に触れたものを引っ張った。それは簡単に頭から外れた。柔らかなそれは何かの獣の、彼の言葉によれば恐らく猫の、擬似耳だ。
「……俺は、誰にも飼われているつもりはない」
 目の前の相手を睨みつけるようにまっすぐに見て、ビュクセは口を開いた。
「これからも、飼われるつもりは、ない」
「……ふうん?」
 ツァウベルンは身動きせずにビュクセの視線を受け止め、薄い笑みを口元に浮かべたまま、僅かに目を細める。
「君自身がそう思っていても、君は決して自由ではない。それは、覚えておいたほうがいいだろうね」



猫耳という萌えポイントを確実に外している。
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和泉
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女性
自己紹介:
幻水シリーズ大好き。
普段は主に乙女ゲーをプレイしています。
お休みの日はイベント行ったりライブ行ったり舞台観たりのオタクライフ。
twitter:@idumi21
連絡先:idumi_sk@hotmail.co.jp

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