無口キャラ好きでガンナー好きなので１周目もわりとビュクセは使ってたんですが、常時というほどではなく、ツァウベルンは大好きでかなり使ってたんですが、これまた常時というほどではなく、だからあまり二人まとめて使ったことがなくて、決戦前夜とＥＤその後でわかりやすく急激に萌えたわけですが。
なのでふたりが互いに「かばう」発動するのを見たことがないのです。
早くツァウベルンを迎え入れたい！そしてビュクセと一緒にパーティ組ませたい！
でもストーリー進めずにふらふらするのも楽しいんですよね。あージレンマ！
ところで攻略サイトを覗いて、派遣クエスト時のビュクセの任務了解三段活用（○→任務了解！△→任務、了解。×→…任務、了解。）を見ていて思ったんですが、ビュクセって無口キャラというより口下手キャラなんじゃないでしょうか。口下手が高じて無口になったというか。
っていう感じのＳＳを書いてみました。ツァウベルンの口調にまだ自信がありません。
「あぶねえ、ビュクセ！」
カナイが叫ぶ声が聞こえた。気付いたときには遅かった。
「……っ！」
連戦で体力を削られて思うように動けない。目前に迫る敵の攻撃を、避けるのは無理だと判断し、せめて防御をとライフルを縦に構えた。が、その瞬間に、ビュクセの前に影が飛び出した。
ありえない速度で、ありえない人物が。
「……くっ！」
ビュクセの楯になり攻撃を食らったツァウベルンが、衝撃によろめいて膝をつく。そのまま倒れこみそうになるのを、手のひらを地について堪えた。
ビュクセは驚いて目を瞠る。
「な……」
なぜあなたが俺のような者を、と言いかけた声は、いつものように喉の奥に引っ掛かり、うまく出てこない。
ツァウベルンは視線を上げ、微笑みを浮かべた顔をビュクセに向けた。
「なぜって？ 仲間の窮地に助けに入るのは当然のことだろう。本当は華麗に跳ね返すはずだったのだけれどね、さすがにそんな余裕はなかったか」
ちょっと情けないな、とツァウベルンは苦笑する。
「でも……」
ビュクセは口を開き、また閉じた。どう言えばいいかわからない。
自分が彼を庇うなら別だ。軍人が自分の国の重要人物を守るのは当然のことだ。義務であり、名誉だ。けれど、逆はおかしい。あり得ない。
目を伏せて沈黙するビュクセに、ツァウベルンは小さく首を傾げた。
「何を気にしているのかな。私の素性や、君の立場などここでは関係ない。誰もが同じ敵に立ち向かう仲間だ。そうではないかな？」
「……どうして」
なぜ思っていることがわかるのだろう。無口すぎて何を考えているかわからないと言われるのが常だ。ビュクセは不思議に思って短く訊ねた。その問いさえ、きちんとした質問にはならなかった。
「君の考えていることなら、君を見ていればわかるよ。わかりやすいくらいだ。それより」
ツァウベルンはそう言って楽しそうに笑い、ビュクセに向かって手を差し出した。
「立ち上がるのに、手を貸してくれないか」
白く細いツァウベルンの手は、土に汚れ、いくつもの擦り傷がついていた。
彼が彼の国で、彼の身分に合った生活を送っていれば、きっとつくはずもない汚れや傷。
ビュクセはゆっくりと、まっすぐに差し伸ばされたその手をとった。ツァウベルンは嬉しそうに目を細めた。
「ありがとう」
言われて、そういえば礼を言わなければならないのは自分の方だったと気付いたが、タイミングを逃して言葉に出来ず、ビュクセは黙ったままツァウベルンを引き起こす。
ビュクセの手を借りて立ち上がったツァウベルンは、わかっているよというように、柔らかく微笑んだ。どうしたらいいかわからずに、ビュクセはまた立ち尽くす。
ただ、この人を必ず無事に国へ帰さなければと、そう、強く思った。
