数日、微妙にばたばたしてゲームもあまり進んでいません。
寒いのも良くありません。つい布団に潜り込み、潜り込むと眠くなる・・・。
それにしても狭間後のロベルトはかわいいですね!(唐突に)
例の笑顔でツンデレも最高にかわいいですが、続く「オレもおまえと一緒に行動すれば良かった・・・」と、砂漠の書あたりの「オレも連れて行け!」の3段コンボで大好きです。
「オレも連れて行け!」って言われたときは「もう連れてるよ」と思いつつ、どキュンとしました。そのくせ、パーティ入れるときはいつもどおり「いいだろう、行ってやる」なツンデレさん。なんてかわいい。
そんな砂漠ミッション前↓
「カナイ!」
城の二階の剣士団詰所にカナイが足を踏み入れた途端、大きな声で呼ばれた。視線を向けると、ロベルトが駆け寄ってくる。
「ロベルト、ちょうど……」
「砂漠に書を探しに行くんだって!?」
よかった、とカナイが続ける前に、ロベルトが息巻いて訊ねた。その勢いに少し気圧されながら、カナイは頷く。
「あ、ああ。だから……」
「なら、オレも連れて行けっ!!」
カナイに詰め寄るように一歩踏み込んで、怒鳴るように強く、ロベルトが言った。カナイは驚いて口を閉じた。
いつもはこちらから同行を依頼しても、仕方なくというように――けれど表情はどこか嬉しそうに――いいだろう、行ってやる、なんて言うくらいだ。もちろん、それが本音ではないことはカナイもわかっている。いつだって、ロベルトは自分から動きたがっている。自分の手で何かをしたいと思っている。それをあまり、表に出したがらないだけで……。
「おい、聞いてるのか!?」
すぐに答えを返さないカナイに、焦れたようにロベルトが言った。カナイは我に返って、ようやく口を開く。
「聞いてるよ。でも、なんで……」
「こんな時に黙って待ってなんていられるかっ!!」
「そりゃまあ、わかるけどさあ」
「カナイ殿」
うまく説明できない違和感にカナイが戸惑っていると、少し離れた場所にいたメルヴィスが、声をかけながら近寄ってきた。
「ロベルトを連れていってやってくれないか」
「メルヴィス副長!」
「ああ、それは別にいいんだけどさ」
フォローに入ったメルヴィスに感謝の目を向けるロベルトと、まだ曖昧に首を傾げるカナイの傍らに立つと、メルヴィスは生真面目な口調で続けた。
「貴殿がクロデキルド様やリウ殿と一緒に行方知れずになっている間も、煩くて仕方なかった。ここで騒がせておくより、同行させたほうが余程役には立つだろう」
「……はあ?」
「メルヴィス副長!? な、なにを……!」
「あの時、カナイ殿を最後に見たのがロベルトだったとか。そのせいで自分を責めてみたり、探しに行くと闇雲にトビラに飛び込もうとしたりで、宥めるのに大変だった。挙句、心配のあまり泣き出す始末で……」
「ちょっ、泣いてない! 泣いてないだろ!!」
「そうだったか?」
「ウソをつくな! 余計なことも言うな! だいたい、オレが心配してたのは姫様で、別にこいつじゃ……!」
「私も別に、そんなことは言っていないが?」
「……っ!!」
ロベルトが悔しそうに唇を噛んで拳を振るわせる。流れについていきかねて、カナイは黙り込んだ。とりあえず、ロベルトにはずいぶん心配をかけたらしいことはわかった。
「ロベルト」
上目遣いに睨みつけるロベルトの肩に、軽く手を乗せてメルヴィスが続けた。
「言葉にしなければ何も伝わらない。たまには、思っていることをそのまま言ってみればいい」
「…………」
ロベルトは小さく頬を膨らませたまま、メルヴィスから視線を逸らした。メルヴィスは、カナイに顔を向けて、では、と短い挨拶を残して立ち去った。
「……なんだったんだ?」
その背中を見送って、カナイは怪訝に呟く。首をかしげながらロベルトを振り返ると、彼は目を伏せたまま、固めた自分の拳を見つめていた。
「ロベルト?」
「……オレは、戦えるんだ」
呟くように、小さく吐き出した。
「見ていることしか出来なかったあの時とは違う。何も出来ずに後悔するのが嫌で、強くなったんだ。今のオレは、守るために戦える……なのに、もうこれ以上、オレの手の届かないところで何かが起こるのは嫌だ!」
強い目を上げて、ロベルトはカナイに向かってまっすぐに訴えた。
「だから、オレも連れて行け! もうこれ以上、ヤツらの好きになんてさせない!!」
「……ロベルト」
彼はいつも、自分の手で戦いたがっている。それは、戦えずに失った過去があるからだ。守れなかった日があったから。取り戻した今でも、その無念さを忘れずにいるからだ。
それはとても、信頼できる強さだと、思う。
「おまえのそういうとこ、本当に好きだなあ」
「……なっ! なにをいきなり!」
「頼りにしてるって言ってんだよ。だって、オレ今ここに、おまえを呼びに来たんだぞ。砂漠の書探し、付き合ってもらおうと思って」
「おまえ……そういうことは早く言え! 今までのやりとりはなんだ、全部ムダじゃないか、このバカ!!」
「ムダじゃねえよ。おまえの決意が聞けたし」
楽しそうにカナイが笑う。ロベルトが短く舌打ちをした。
「よし、じゃあ行こう!」
「……いいだろう、行ってやる」
いつもどおりの言葉でロベルトが答えた。またおまえはーと呟き苦笑しながら歩き出すカナイの後ろについて、ロベルトは静かに、小さな笑みを零した。
初めまして。
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